アトピー性皮膚炎の発症原因は様々で、非常に複雑ですが、中医学では
「素体不足(そたいぶそく)」
「外感邪気(がいかんじゃき)」
に分けて考えます。
素体不足とは、体に弱っている部分があるということで、
アトピー性皮膚炎の場合、中医学で言う五臓の中の
「脾(ひ)」
「肺(はい)」「腎(じん)」の機能低下が大きく関与している
ケースが目立ちます。
 「脾」は食物を消化吸収し、皮膚を栄養する血液や津液を作る。
 「肺」は呼吸機能の他に、皮膚の抵抗力や皮膚の潤いに関与し、
 「腎」は利尿の他に、老化や免疫力などにも関与している、と考えられているので、これらの臓器が弱れば健全な皮膚が保てなくなります。

外感邪気とは、外部からの邪気の侵入を意味します。
邪気は「悪い刺激」という意味で、アレルギーを起こしやすい食べ物やダニなどの
西洋医学で言う「アレルゲン」も邪気のひとつです。
「 風(ふう)・寒(かん)・暑(しょ)・湿(しつ)・燥(そう)・熱(ねつ) 」
の六つの邪気があり、これを「六淫(ろくいん)」と呼びます。
 誰でも季節の変わり目になると体調を崩しがちですが、これは六淫の影響なのです。

 素体不足があるアトピー患者の場合、バリア機能が低下し、六淫 の侵入に対して
とても敏感になるので、寒さも暑さも湿気も皮膚症状の悪化の原因となります。
 例えば、梅雨時から夏場に悪化するアトピー性皮膚炎の方には、
湿度が高くなると働きが落ちる「脾」を補いながら「湿・熱」の邪気を
排除する漢方薬の組み合わせは、とても有効です。