アトピー性皮膚炎① アトピーとは?
2008.02.21
皮膚病の漢方相談で最も多い「アトピー性皮膚炎」に対する漢方の治療法は、
近年、中医学や中西医結合医療の研究により、大きく進歩してきました。
「アトピー」の語源は、ギリシャ語『a-topos( 奇妙な・変な)』と言われており、
この「奇妙な皮膚炎」が日本で問題視されるようになって、まだ数十年です。
文明化社会の産物とも言われているこの病気は、当然「漢方の古典」にはなかったもので、
日本の漢方でも治療の難しい病気でした。
日本皮膚科学会では「アトピー性皮膚炎は、憎悪・湿を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と、定義しています。
西洋医学の定義にあるアトピー素因とは、とても複雑な要因で「遺伝的な体質」だけでは解決できない
多くの要素を含んでいます。
皮膚と内臓の関係を重視する中医学の理論では、患者の皮膚の状態だけでなく、
五臓六腑との関連も詳しく調べ、生活習慣や自然環境が体に及ぼす影響も考慮した、
患者個別のオーダーメイドの治療が可能です。
アトピー性皮膚炎症状チェックリスト
① 皮膚に丘疹(ブツブツ)、紅班(赤み)がある
② 皮膚に小水疱、滲出・糜爛(ジュクジュク)がある
③ 皮膚が鱗屑(カサカサ)、または苔癬化(ゴワゴワ)になっている
④ 発疹部分はかなりかゆく、掻き壊した傷がある。
⑤ 乾燥肌または鮫肌である
⑥ 発疹が始まってから6ヵ月を経過している
⑦ 発疹は左右対称的な特徴を持つ
⑧ 顔面、頚部に発疹がある
⑨ 肘、膝のウラに発疹がある
⑩ 喘息または花粉症を患ったことがある
⑪ アレルギー性鼻炎またはアレルギー性結膜炎がある
⑫ 家族の中に皮膚が弱っている、またはアトピー性皮膚炎と言われた経験者がいる
⑬ 家族の中に喘息、またはアレルギー性鼻炎、結膜炎経験者がいる
⑭ IgE(免疫グロブリンE抗体)値が上昇している
⑮ アレルギー検査で、陽性になっているものがある
文芸社「アトピー性皮膚炎の正体と根治法」より