ツキイチ連載
漢方職人「東海林さん」の漢方メモ
長年の臨床経験の積み重ねで構築されてきた中医学を語る「東海林さん」 お店では漢方職人と呼ばれています。自然の影響も考慮した中医学の膨大な知識の中から、みなさんに有益な情報を伝える連載コラムです。
2018.06.21
痛いのには「ワケ」がある
梅雨時に増える相談と言えば、「腰や膝などの関節の痛み!」。ではなぜ、梅雨時は痛みが悪化するのでしょうか?痛みの原因はズバリ、「経絡(けいらく)」の滞りです。経絡とは、「気(き)」(体の活動エネルギー)・「血(けつ)」(血液)・「水(すい)」(体液)の通り道。中医学は「通じざればすなわち痛む」と言う考え方で、末端の細い流れ「絡脈(らくみゃく)」が滞るとしびれやこわばりが、太い流れ「経脈(けいみゃく)」が滞ると痛みが現れると考えます。滞りの要因となるのが、「風邪(ふうじゃ)」・「寒邪(かんじゃ)」・「湿邪(しつじゃ)」といった外的要因の「外邪(がいじゃ)」です。天候が不順で、外邪に体が順応できなくなると経絡が滞り、気血水が巡らなくなり痛むのです。また、外邪や生活習慣などで体内にたまる痛みの原因物質により、痛みの性質も異なります。「気滞(きたい)」は文字通り気が巡らず、張ったように痛み、イライラすると痛みが悪化。「瘀血(おけつ)」は血の不足や滞りで血液が巡っていないタイプ。痛みは固定的で針で刺した様に痛み、夜間や安静時に悪化します。「痰湿(たんしつ)」は体外に排出されるべき水分が滞っているタイプ。重だるく痛み、関節がむくんで腫れ、水がたまることも。漢方では、風・寒・湿邪を追い出し、自然治癒力を高める「独歩顆粒(どっぽかりゅう)」をベースに、タイプに合わせた対処法があります。
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2019.07.18
ピリピリ痛む帯状疱疹の神経痛
天候不順で湿度も高いこの時季、胃腸が弱って免疫力が落ちている人が多いせいか、様々な感染症が流行しています。帯状疱疹を発症する方も多く、その後の神経痛に悩まされているようです。急性期の炎症による痛みは消炎鎮痛剤で抑えられますが、ピリピリと刺される様な神経痛には効きにくいのが現状です。ではなぜ、炎症が治まっても、痛みが発生するのでしょうか?中医学では痛みの原因を、不通則痛(通じざれば即ち痛む)と不栄即痛(栄えざれば即ち痛む)と考えます。つまり、気血(きけつ)の通り道である経絡(けいらく)に、ストレスによる気滞(きたい)や気候風土の急変により、瘀血(おけつ)や痰濁(たんだく)が停滞すると急性の痛みを生じ、老化や内臓の機能低下で気血自体が不足して筋肉や関節、組織などに栄養が行き渡らないと慢性的な痛みが生じます。特に帯状疱疹のストレスと炎症により生じた瘀血は、ピリピリとした刺痛を起こす特徴があります。経絡の流れをよくするためには、活血(かっけつ)・通絡(つうらく)薬が有効ですが、驚くようなものの一つが蟻(あり)です。食用の蟻は、通絡作用だけでなく、20種類以上のアミノ酸も含んでいます。その他、様々な痛みのタイプ別の漢方があります。一度ご相談ください。
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2019.06.20
ストレスはなぜ帯状疱疹を招く?
前回、帯状疱疹の原因は加齢や疲労、ストレスなどで、免疫力が低下し、ウイルスが活動すると発症すると説明しました。しかし、漢方相談で来局される方の中には、ストレスを自覚していない方が多いのも事実です。ストレスは対人関係などの心理・社会的なものだけでなく、例えば電車が不通になり振替輸送の長蛇の列に並ぶ。出産で里帰りした娘と孫の世話をする。冠婚葬祭。などの〝非日常生活〝や〝我慢すること〟〝頑張ること〝は全て身体にとってストレスになります。中医学で、ストレスは「気滞(きたい)」(気の滞り)と考えます。「気(き)」は体の活動エネルギーです。気の巡りを調節するのが「肝(かん)」、気が滞ると様々な代謝に影響を及ぼします。実は帯状疱疹の好発部位は「肝の経絡(けいらく)」(気血の流れ道)と関係しています。気滞によって胃腸機能が低下すると、栄養を吸収できなくなり免疫力も低下し、湿熱(しつねつ)の邪(ウイルス)が肝の経絡上に皮膚炎を発症します。早めに板藍根(ばんらんこん)や瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)などの清熱解毒薬(せいねつげどくやく)で対応します。また、気滞による血行不良で瘀血(おけつ)が停滞すると、ピリピリと刺すような神経痛を招くので、活血通絡薬(かっけつつうらくやく)も必要です。気滞の解消には、逍遥丸(しょうようがん)や胃腸薬の開気丸(かいきがん)などの疎肝理気薬(そかんりきやく)が予防的にも有効です。お試しを!
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2019.05.23
帯状疱疹は予防できる!?
大型連休明けの昨今、高齢者だけでなく若い方も帯状疱疹を疑って、相談に見えます。加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが活動・増殖を始め、帯状疱疹を発症します。日本の成人の約9割はこの帯状疱疹ウイルスを持っていると言われます。この時期「5月病」という言葉があるように、ストレスが表面化しやすい季節。新生活の疲れや連休でリズムを崩した方も多く、さらに天候不順で自律神経も乱れ、不調が出やすくなっています。明らかな皮膚症状が出た場合は、早急に病院を受診し抗ウイルス薬の処方が有効ですが、症状が出ないと薬は使えません。予後の神経痛の相談で来店される方も多いのですが、出来れば皮膚炎が出る前に予防したいですね?。特に発症を繰り返す人は、「皮膚がピリピリする」などの前兆症状の段階で対応しましょう。「でも免疫力をあげるってどうやれば…?」という方はお気軽に相談を。中医学では、初期の水疱を伴う帯状の赤い発疹に対しては、「板藍根(ばんらんこん)」や「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」などの清熱解毒剤で停滞した湿熱(しつねつ)を取り除き、皮膚の炎症を抑えます。また、針で刺される様な痛みが特徴の瘀血(おけつ)による神経痛に対しては、気を巡らし血行を改善する理気活血(りきかっけつ)や通絡止痛(つうらくしつう)の処方で対処します。
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2019.04.18
つらい頭痛も中医学で対応!
気温が乱高下する春は、頭痛などの痛みが出やすい季節です。特に頭痛は日本人の3人に1人が持つと言われるほど。文字通り頭の痛い症状ですが、ほとんどの方は「我慢する」か「鎮痛剤を飲む」の二択で対応しているのではないでしょうか?痛みとは本来、身体からの〝助けて〟のサイン。痛みを感じさせない鎮痛剤でそのサインを無視していると、後々厄介な症状を招きかねません。一方、中医学では痛みを引き起こす原因を探り、個々の体質別に改善します。原因はまず外因と内因に分けられます。外的要因の頭痛は、自然界からの影響を受けて風(ふう)・寒(かん)・湿(しつ)・熱(ねつ)などの「外邪(がいじゃ)」によって、頭部の気血の流れが滞ったために「不通則痛」(通じざればすなわち痛む)という理論で起こると考えます。春は風の季節なので、風寒タイプが多いよう。内的要因の頭痛は胃腸虚弱や老化、慢性病などで気血(きけつ)が不足し、頭に血が行き渡らないために起こります。また生活習慣の乱れ、緊張やストレスなどで気血が滞ることで起こるタイプもあります。経験がないほど酷い頭痛は、深刻な病気も考えられるので、直ぐ病院の受診をお勧めしますが、治り難い頭痛は、中医学で対応してみては?タイプに合わせた漢方薬を選び、養生法も指導します。
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2014.10.23
台風や低気圧で悪化する痛み!
近年、温暖化の影響か台風も大型化しやすく想定外の竜巻や豪雨被害が出るなど、過去の常識が通用しない天候になりつつあります。秋は本来気温が下がり乾燥してくる季節なのに、台風や低気圧が呼び込んだ湿気や熱風のせいで、蒸し暑くなったり、急に肌寒くなると、自律神経が対応出来なくなるため、高齢者や神経痛・リウマチなどの持病のある方に影響しないはずがありません。中医学では病気を起こす天候などの外因〈外邪(がいじゃ)〉を「六淫(ろくいん)」と呼びます。様々な痛みを引き起こす「風邪(ふうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」「湿邪(しつじゃ)」「熱邪(ねつじゃ)」もこの六淫の一つです。外邪による痛みは比較的急性で、単体の場合もありますが、大半は複数が連動して起こります。風に当たる、雨にぬれる、急激な気候と気温の変化などの影響で風寒湿の邪気が体に入り込み経絡(けいらく)にとどまると、気血(きけつ)の流れが滞り、こわばり・痛みなどの症状が現れます。風邪の影響が強い場合、痛む場所が移動する、発熱悪寒を伴うなどの特徴があります。寒邪の場合は、痛む箇所は固定的で激しく痛み、温めると楽になることが多いです。また、頭や手足の関節が重だるく痛む、時には水が溜まるなどの症状は、湿邪の影響が強いと考えます。漢方を処方する時は、これらの外邪の特徴を考慮して、外邪のタイプ別にお選びいたします。
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2014.07.17
ひざ痛、腰痛、四十肩に悩む人へ(特別号)
以下、タウンニュース2014年7月17日(木)号の金沢区版と横須賀版に掲載されました、当店の開局10周年記念の特集記事全文です。----ひざや腰、関節、肩……年齢とともに痛む部位が増えてきたという人も多いのでは。「そんな方にこそ、漢方を試してほしい」と話すのは今年、10周年を迎えた漢方相談薬局「開気堂」(金沢文庫駅東口徒歩3分)の薬剤師東海林正弘さん。「エッ?漢方で痛みがとれるの?」――そんな疑問を保存版特別号で解説する。東海林さんは「痛みの原因はズバリ、経絡(けいらく)の滞り」と言い切る。経絡とは、ツボと内臓、内臓と器官、皮膚などをつないでいる「気(き)」(体の基本エネルギー)と「血(けつ)」(血液)の通り道。太い流れを「経脈(けいみゃく)」、枝分かれした末端の細い流れを「絡脈(らくみゃく)」という。「中医学では『不通則痛』(通じざればすなわち痛む)と言い、絡脈が滞るとしびれやこわばりが、さらに経脈が滞ると痛みが現れると考えられています」と話す。雨が降るとひざが痛くなる理由では、何が滞りを生むのか。下の図にその答えがある。外的要因とは、人間の体が絶えず影響を受けている気候や風土。湿気や暑さ、寒さ、風などの外邪に体が順応できないと、経絡につまりが生じ、体内の気血が巡らなくなる。「雨が降ると膝が痛くなる人が多いのも、こうした理由からです」と東海林さんは説明する。また、外邪や生活習慣などの要因によって体内にたまり、痛みの原因となるのが「痰飲(たんいん)」「気滞(きたい)」「瘀血(おけつ)」(下の図の最下部を参照)。それぞれに痛みの性質が違うので、タイプに合わせた対処法が必要とされる。さらに、慢性的な痛みは、「気血が不足し、栄養が体内に行き渡らない」=『不栄則痛』(栄えざればすなわち痛む)ことでも起こる。老化による痛みも軽減できる?東海林さんは年を取ると痛みやすくなる理由を「老化により体や内臓の機能が低下し気.血が不足するため、筋肉や器官、組織などに栄養が行き渡らなくなるからなんです」=下の図内的要因=と説明する。つまり、気.血を養うことができれば、老化による「痛み」も軽減することができるのだ。「年のせいとあきらめることはありません。体質にあった漢方の処方で、気や血は補えます」と東海林さん。脾(ひ).肝(かん).腎(じん)の働きを活性化させ、痛みの根本原因から改善するのが「中医学流」。漢方は、痛む部位や痛みの性質、痛みが出る条件などから総合的に判断するため、一人一人の処方は異なる。東海林さんは「原因別に対応することが、痛み改善の近道。当店では痛みのタイプ別に漢方をお選びいたしますので、お気軽にご相談ください」と呼びかけている。
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2014.02.20
頭痛はタイプ別に対応
日本人の3人に1人は「頭痛持ち」だそうです。先日、ニュース番組で紹介された頭痛専門のクリニックには、遠方から始発の新幹線で通う患者さんもいました。それほど頭痛は悩ましいものですが「我慢する」「鎮痛剤を飲む」方が大多数を占めるのでは?西洋医学では片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛などと分類はされていますが、ほとんど原因究明がされていません。治療は、痛み=炎症・血管拡張ととらえ消炎鎮痛剤や血管収縮剤を使った対症療法が基本です。一方、中医学では「通じざれば即ち痛む」(気(き)・血(けつ)の滞り)「養なわざれば即ち痛む」(気・血の不足)という基本理念で痛みの原因を考え治療を行います。頭痛の病因は、まず外感(がいかん)と内傷(ないしょう)に分けられます。外感頭痛とは、多くは生活の不摂生で、風(ふう)・寒(かん)・湿(しつ)・熱(ねつ)などの「外邪(がいじゃ)」を感受することによって引き起こされます。体を冷した時や、風邪の初期の頭痛がこれです。内傷頭痛とは、主に肝(かん)・脾(ひ)・腎(じん)の三臟のどこかの機能失調によるもので、ストレスや緊張興奮、胃腸虚弱、暴飲暴食による痰飲(たんいん)の停滞、加齢老化、生活習慣病による瘀血(おけつ)などによっても頭痛は起こります。当店では、個々の頭痛のタイプに合わせた漢方薬を選び、養生法もご指導いたします。経験がないほど酷い頭痛は、深刻な病気も考えられるので、早めに病院の受診をお勧めします。
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2012.07.19
原因不明の「繊維筋痛症」中医学で対応
「繊維筋痛症(せんいきんつうしょう)」という病名をご存知ですか?全身あるいは部分的な痛みやしびれ、こわばりが主な症状で痛みは軽度から激痛になることもあります。その他に倦怠感・疲労感・睡眠障害・自律神経失調・頭痛・ドライアイ等を伴う場合も!患者数は現在日本の人口の1・66%、約200万人と公表され、リウマチ患者60万人の約3倍以上と言われています。死に至る病ではありませんが、重症化すると軽い刺激でも激痛が走り、自力での生活は困難です。血液やレントゲン、筋肉の酵素、CT、MRIなどの検査をしても異常が出ないのが特徴で、診断が出るまで数か所の医療機関を何年にもわたって回り続けた患者さんも少なくありません。西洋医学では未だ治療法が確立されていませんが、中医学を応用すると解決の糸口が見えてきます。痛みやしびれ、こわばりといった線維筋痛症の症状は、中医学の専門用語で「痺証(ひしょう)」に該当します。「痺(ひ)」とは塞がって通じない事。「不通即痛=通じざれば即ち痛む」という考え方で、痺証の症状は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の滞りによるものと捉え滞る原因を探ります。例えば血の滞り(瘀血)による痛みならば、漢方薬の活血化瘀薬(かっけつかおやく)「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などを中心に瘀血のタイプに合わせた総合療法で薬を選びます。医療機関を何件も回って来た方が改善した例は数々あります。諦める前にぜひ一度ご相談を!
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2016.06.16
バルトリン腺炎 辛い痛みは漢方で!
なかなか人には相談しにくいのが、陰部の疾患。特に「バルトリン腺炎」は人知れず悩んでいる方が多い病気と言われています。バルトリン腺とは膣の内側に左右一対あり、性行為を滑らかにする液を分泌する腺のこと。ここに大腸菌やブドウ球菌、溶連菌などが感染して炎症を起こすのがバルトリン腺炎です。この病気は外陰部の疾患の中で最も多くみられるもので、性行為がなくても体力・免疫力の低下で感染してしまう人が多い様です。症状は患部の腫れや痛み、膿がたまる膿瘍・膿疱など。悪化すると「歩けないほどの激痛」を伴います。西洋医学の治療法としては抗生剤を使いながら、膿を抜く、腺を手術で切除するなどの方法が一般的ですが、「痛みに耐えて膿を抜いたのに、またすぐ腫れた」「しこりが残って治らない」など繰り返し発症する方が多く悩みが尽きません。当薬局にも、長年バルトリン腺炎に悩んでいた方が「ネットで情報を見て…」と半信半疑で来店されます。中医学では、腫れ痛みの激しい急性期には、湿熱(しつねつ)・熱毒(ねつどく)を除く清熱解毒薬(せいねつげどくやく)を中心に、緩解期には気血(きけつ)不足を補う漢方で再発しにくい体作りを目指します。体験者の方からは「繰り返す痛みが想像以上に早く引いた」「再発しなくなり体調まで良くなった」など嬉しい感想を多数いただいております。相談は問診が主です。先ずはお電話を!
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2015.03.19
バルトリン腺炎 お悩みの方へ
バルトリン腺とは、膣の内側の入口後方に位置する左右一対の腺で、性行為を滑らかにする液を分泌しています。この腺に大腸菌・ブドウ球菌・溶連菌などが感染して炎症を起こしたのがバルトリン腺炎です。急性期には開口部が赤く腫れ、痛みが現れ、膿が溜まると圧痛のあるバルトリン腺膿瘍になります。また最初から急性期がないまま、小指から親指頭大の嚢胞が出来ることもあります。この病気は外陰部の病気の中で最も多く見られるもので、治療後も一旦消失した膿瘍・嚢胞が再発するケースも多く、発症部位が陰部だけに、誰にも相談出来ずに悩んでいる女性が多いと聞きます。西洋医学の治療法としては抗生剤などを使いながら穿刺、切開、摘出術などの外科的処置が主流です。しかし、漢方相談される方の多くは、婦人科で治療を受けたが「繰り返し発症し痛むので歩くのも辛い」「抜いたばかりなのにまた腫れてきている」「次に腫れたら手術です!と言われ恐い」「しこりが残って治らない」などのお悩みが多く、漢方薬を併用されて満足される方が多いです。中医学では、腫れ痛みの激しい急性期には、湿熱(しつねつ)・熱毒(ねつどく)を除く清熱解毒薬(せいねつげどくやく)を中心に、慢性期には気血(きけつ)不足を補い再発しにくい体作りをめざします。相談は問診が主で患部は診察しませんのでご安心下さい。
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2016.11.17
「血の道症」って何?「血力」は女子力
とにかくイライラする」「不安感」「いや~な頭痛が続く」…もしかしたらそれは、「血(ち)の道症」かもしれません。年配の方はよくご存知かもしれませんが、「血の道症」とは、血の不足や滞りから起こる女性特有の不調のこと。婦人科系の疾患はほぼ、血に関係しているといっても過言ではありません。特に血を必要とする月経、妊娠、出産、更年期などに現れやすい症状です。生理痛や頭痛、便秘、むくみ、胸が張る、イライラするなど、どなたでも経験があるはず。しかし、本来は「生理痛はないのがあたりまえ」なのです。中医学では、血の足りない状態を「血虚(けっきょ)」といい、生理不順、乾燥肌、動悸、不眠、かすみ目、もの忘れなど様々な不調の原因となります。特に子宮や卵巣系は、血で満たされていないと弱ってしまいます。また、毛細血管も含め血の流れが滞って巡らない状態を「瘀血(おけつ)」と呼びます。〝瘀血は万病のもと〟血を全身に巡らすことは、体を健やかに維持するために、とても重要なことなのです。血を増やし巡らせるためには、血を貯蔵する「肝(かん)」の働きを活発化させ、血を造る胃腸の働きを改善し、睡眠を十分にとることなどが大切。漢方では、血を養い巡らせる「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や「逍遥丸(しょうようがん)」「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」がおすすめ。また、血の道症の頭痛には「頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)」「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」も有効です。
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