ツキイチ連載
漢方職人「東海林さん」の漢方メモ
長年の臨床経験の積み重ねで構築されてきた中医学を語る「東海林さん」 お店では漢方職人と呼ばれています。自然の影響も考慮した中医学の膨大な知識の中から、みなさんに有益な情報を伝える連載コラムです。
2019.10.17
血管年齢が気になる 「瘀血」は万病のもと
タウンニュース特集備えあれば憂いなし!「転ばぬ先のチェックリスト」に当店の取材記事が掲載されました。血管は全身に血液を巡らせ、酸素や栄養素を運ぶ重要な働きをしている。血管年齢が高くなり、硬くなったり狭くなったりすると、脳・心筋梗塞、糖尿病など様々な疾患のリスクが増すという。金沢文庫にある開気堂薬局の東海林正弘さんは「血管年齢だけでなく、全身に気血(きけつ)を巡らす〝流れ〟こそ健康の鍵」と指摘する。「血流が滞った状態を中医学では『瘀血(おけつ)』といい、万病の元と考えます」。この瘀血に対し、気血を巡らせ流れを改善する「活血化瘀法(かっけつかおほう)」で様々な不調を取り除いていく。まずは自分の状態を把握することが大切。同店では病院で調べることのできない指先の毛細血管を観察し、血流状態を無料チェックできる。
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2019.01.24
血管力UPでヒートショック予防
冷え込みの厳しいこの時期はヒートショックが増加します。ヒートショックとは、主に家の中の急激な温度差により血圧が大きく変動することで、脳内出血や心筋・脳梗塞などを引き起こします。暖かい居間から寒い風呂場へ移動すると、熱を奪われまいとして血管が縮んで血圧が上がり、湯につかると血管が広がって急に血圧が下がります。健康な若者の血管なら急激な血圧の上昇・下降にも耐えられますが、糖尿病や動脈硬化が進んだ高齢者には、致命的な症状を招きかねません。血圧が下ることで、めまいやフラつきが起き、時には意識を失い転倒や溺死という事態を招くこともあり、寒いトイレでも同様のことが起こります。一般的な対策は、風呂場やトイレを暖房して温度差を少なくする、熱い風呂は避け、出る時はゆっくり立ち上がるなど。中医学では、日々の血圧の変動に耐えられる弾力ある〝丈夫な血管〟にすることが大切と考えます。たとえ、血圧が上下動しても、しなやかに収縮・拡張する血管であれば、切れたり詰まったりするリスクは低くなります。血管力を上げたい方には、活血化瘀薬(かっけつかおやく)の中でも「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」がおススメ。AGE(終末糖化産物)の産生を抑えて血管を丈夫にして、毛細血管の流れも改善してくれます。
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2018.12.20
血圧は常に変動している
高血圧は、日本人の死因ワースト4の心疾患と脳血管疾患に関して大きなリスク要因となります。自律神経が司る血圧は、常に変動していて一日の内でも上下しています=表。睡眠時は低く、日中活動を開始すると上昇し、食事や排便時、緊張や興奮などで一時的に上がります。常に高い状態が続くと血管が破れたり動脈硬化が進むため、西洋医学では診察室血圧が上140以上(収縮期)、下90以上(拡張期)になると降圧剤が使われます。しかし、血圧は下げれば安心なのでしょうか?体力の落ちた高齢者は、血圧を下げ過ぎると元気がなくなり、転倒や骨折、脳梗塞、認知症などのリスクが高まることが指摘されています。また気温や気候の急変動は血圧にも大きく影響します。中医学では、血圧が上がる原因を個別に改善して、日内変動や気候の急変に耐えられる〝丈夫でしなやかな血管〟にすることが大切と考えます。血管力を上げるには「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などの活血化瘀薬(かっけつかおやく)を使った瘀血(おけつ)の総合療法がおすすめです。
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2018.05.17
ピンピンコロリを実践するために
死ぬまで健康で暮らしたいとは万人の願い。このコラムで継続して取り上げてきたNHKの人体シリーズの最終回テーマも「健康長寿」でした。このシリーズは、脳が各臓器の司令塔の役割を果たしていると考えられていた従来の説を覆し、臓器と臓器がメッセージ物質を出し合い、体の機能を保つメカニズムを解明している画期的なもの。一方、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)を基本とする中医学は、大昔から五臓六腑が密接に関連しているという考え方なので、私も非常に共感できる内容でした。「以前はそれぞれの臓器を理解するのが治療の近道と思われていたが、今は全体のネットワークを理解しないと本当の治療につながらない」という山中伸弥先生の言葉にも象徴されるように、全シリーズを通して、様々なメッセージ物質の研究が紹介されました。これらのメッセージ物質を伝えるのは、全身の細胞に張り巡らされた毛細血管ですから、メッセージ物質が正しく伝わるためには血液の流れが重要となります。中医学の「瘀血(おけつ)」とは、毛細血管も含めた血の滞りを意味するので「瘀血は万病のもと」と言われる由縁も納得出来ます。瘀血のタイプ別に様々な活血化瘀薬(かっけつかおやく)がありますが、毛細血管の改善には「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」は欠かせないですね。
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2017.04.20
薬学会で発表 漢方でシワ予防
3月に仙台で行われた日本薬学会に、漢方生薬の研究を続けて来た富山大学の横澤隆子先生の共同研究者として参加してきました。発表内容は簡単にいうと「皮膚の老化に対する丹参の影響」。ラットとヒトの細胞を使った基礎実験ですが、漢方の代表的な活血化瘀薬(かっけつかおやく)である「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」の成分がシワ予防に効果があるというデータが得られたので、読者のみな様にお伝えしたいと思います。人は呼吸して酸素を取り入れ生きています。反面体内では常に酸化ストレスにさらされているので、酸化から守る機能があります。老化や病気、生活習慣で防御機能が低下すると内側からサビてくるわけです。シワなどの皮膚の老化は、体内の活性酸素・フリーラジカルの増加や紫外線による酸化などにより、皮膚のクッション材となるコラーゲンの減少などによって起こるといわれています。今回の研究発表では、冠元顆粒の生薬成分が皮膚代謝の様々な酸化ストレスに対して、科学的に様々な角度から抗酸化・抗老化活性を検証しました。中医学では昔から、活血化瘀薬は血液の滞りを改善し、シミやくすみを改善すると言われています。実験の結果、新たにシワも予防出来ることが裏付けされたわけです。4・5月は特に紫外線の強い時期。皮膚の老化予防には、化粧水や美容液も大切ですが、体の内側からのケアも始めてみませんか?
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2017.02.16
小さな子宮筋腫も積極的に「未病先防」!
成人女性の4~5人に1人はあると言われる子宮筋腫。症状は出来る部位(筋層内・漿膜下・粘膜下)によって異なり、重くなると経血過多や激しい生理痛などに悩まされることも!ほとんどは良性の腫瘍だが原因は解明されていないため、婦人科では程度により切除手術をする、ホルモン療法で一時的に小さくする、それ以外は「放置して経過観察」するのが普通です。いずれにしても、子宮筋腫は不妊や流産などの原因にもなるので早めに対処することはとても大切です。中医学では子宮筋腫などの「しこり」の症状は、血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」が主な原因と考えます。長期間にわたり血の流れが停滞することで筋腫ができやすくなるのです。瘀血を招く要因は「気血(きけつ)不足」「冷え」「気滞(きたい)」など人により様ざま。例えば、疲れやすい人は、食事や睡眠をしっかりとり、気と血を養う。冷え症で血行が悪い人は、温性の食材で体を温め、ゆっくりと入浴し、下半身を冷やさない服装を心がける。ストレスを溜め込みやすい人は、深呼吸や香りのよい食べ物でリラックスするなどの日頃の養生も大切。中医学の「瘀血の総合療法」はとても効果的で、筋腫ができやすい体質を根本から改善し、再発を防いだり、成長を抑えることが期待できます。妊活中で子宮筋腫がある方も、漢方の併用をおすすめします。
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2016.09.15
毛細血管ケアで若返り・病気予防
近年、アンチエイジングの切り札として注目されている「毛細血管ケア」という新発想。NHKの某人気健康番組でも7月、大きく取り上げらました。動脈硬化、高血圧、狭心症、脳・心筋梗塞、糖尿病…これらはすべて生活習慣病で、血管と深い関係があります。人間の血管をすべて繋ぎ合わせると地球2周半の長さといわれています。しかし、その約9割以上は個々の細胞に血液を送る毛細血管(木に例えれば小枝の先に付いた葉の葉脈に相当)。しかも毛細血管は加齢により減少して行くので、それを防ぐためには血流を良くする事が重要とのこと。西洋医学でも血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ治療は行われていますが、注目しているのは検査で調べることが出来る1割に満たない太い血管です。中医学で考える「瘀血(おけつ)」の概念は血管も毛細血管も含めた全身の血液の滞りを意味するので、瘀血の改善に用いられる「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などの活血薬は、毛細血管の流れも改善します。当薬局は、毛細血管を観察できる「ビデオマイクロスコープ」を導入し、健康相談に役立てています。流れが良い毛細血管は長く真っ直ぐ伸び、逆に悪い血管は短くよじれています。また、血液の流れ方も観察できます。生活習慣病を予防するためには、まずは自分の血管状態を把握すること。店頭で無料測定致します。
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2021.03.25
瘀血は万病のもと 丹人製剤のチカラ
血行を改善する働きをもつといわれる生薬「丹参(たんじん)」。この丹参を主成分とする「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」が発売30年を迎えました。重い心臓病を患った毛沢東のため、中国伝統医学と西洋医学を融合させ、中国が総力をあげて取り組んだ国家プロジェクトから生まれた新薬がもと。開発当時、丹参は日本であまり知られていませんでした。中医薬研究会の先生が丹参を主薬とする処方の前例を探し出し、奇跡的に国の認可を得ました。開発に着手して実に10年の歳月を費やした新しい漢方処方です。中医学では、血の巡りが悪く滞った状態を瘀血(おけつ)といいます。瘀血が停滞すると、全身に十分な栄養が巡らず、老廃物もたまり、様々な不調や病気を招く〝万病のもと〟と言えます。言い換えれば、全身の微小血管の循環改善は、すべての病気の予防に役立ちます。瘀血は、体質によって「気血(きけつ)不足」「気滞(きたい)」「陰虚(いんきょ)」などタイプがありますので、ぜひ一度ご相談ください。丹参製剤は、この微小循環の改善に寄与する処方。新型コロナウイルス感染症の後遺症のひとつに、血栓症がありますが、こうした症状にも役立てられると考えられます。実際に中国では、感染入院患者に丹参製剤を併用して、早期回復に役立てています。
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2019.07.18
ピリピリ痛む帯状疱疹の神経痛
天候不順で湿度も高いこの時季、胃腸が弱って免疫力が落ちている人が多いせいか、様々な感染症が流行しています。帯状疱疹を発症する方も多く、その後の神経痛に悩まされているようです。急性期の炎症による痛みは消炎鎮痛剤で抑えられますが、ピリピリと刺される様な神経痛には効きにくいのが現状です。ではなぜ、炎症が治まっても、痛みが発生するのでしょうか?中医学では痛みの原因を、不通則痛(通じざれば即ち痛む)と不栄即痛(栄えざれば即ち痛む)と考えます。つまり、気血(きけつ)の通り道である経絡(けいらく)に、ストレスによる気滞(きたい)や気候風土の急変により、瘀血(おけつ)や痰濁(たんだく)が停滞すると急性の痛みを生じ、老化や内臓の機能低下で気血自体が不足して筋肉や関節、組織などに栄養が行き渡らないと慢性的な痛みが生じます。特に帯状疱疹のストレスと炎症により生じた瘀血は、ピリピリとした刺痛を起こす特徴があります。経絡の流れをよくするためには、活血(かっけつ)・通絡(つうらく)薬が有効ですが、驚くようなものの一つが蟻(あり)です。食用の蟻は、通絡作用だけでなく、20種類以上のアミノ酸も含んでいます。その他、様々な痛みのタイプ別の漢方があります。一度ご相談ください。
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2019.06.20
ストレスはなぜ帯状疱疹を招く?
前回、帯状疱疹の原因は加齢や疲労、ストレスなどで、免疫力が低下し、ウイルスが活動すると発症すると説明しました。しかし、漢方相談で来局される方の中には、ストレスを自覚していない方が多いのも事実です。ストレスは対人関係などの心理・社会的なものだけでなく、例えば電車が不通になり振替輸送の長蛇の列に並ぶ。出産で里帰りした娘と孫の世話をする。冠婚葬祭。などの〝非日常生活〝や〝我慢すること〟〝頑張ること〝は全て身体にとってストレスになります。中医学で、ストレスは「気滞(きたい)」(気の滞り)と考えます。「気(き)」は体の活動エネルギーです。気の巡りを調節するのが「肝(かん)」、気が滞ると様々な代謝に影響を及ぼします。実は帯状疱疹の好発部位は「肝の経絡(けいらく)」(気血の流れ道)と関係しています。気滞によって胃腸機能が低下すると、栄養を吸収できなくなり免疫力も低下し、湿熱(しつねつ)の邪(ウイルス)が肝の経絡上に皮膚炎を発症します。早めに板藍根(ばんらんこん)や瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)などの清熱解毒薬(せいねつげどくやく)で対応します。また、気滞による血行不良で瘀血(おけつ)が停滞すると、ピリピリと刺すような神経痛を招くので、活血通絡薬(かっけつつうらくやく)も必要です。気滞の解消には、逍遥丸(しょうようがん)や胃腸薬の開気丸(かいきがん)などの疎肝理気薬(そかんりきやく)が予防的にも有効です。お試しを!
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2019.04.18
つらい頭痛も中医学で対応!
気温が乱高下する春は、頭痛などの痛みが出やすい季節です。特に頭痛は日本人の3人に1人が持つと言われるほど。文字通り頭の痛い症状ですが、ほとんどの方は「我慢する」か「鎮痛剤を飲む」の二択で対応しているのではないでしょうか?痛みとは本来、身体からの〝助けて〟のサイン。痛みを感じさせない鎮痛剤でそのサインを無視していると、後々厄介な症状を招きかねません。一方、中医学では痛みを引き起こす原因を探り、個々の体質別に改善します。原因はまず外因と内因に分けられます。外的要因の頭痛は、自然界からの影響を受けて風(ふう)・寒(かん)・湿(しつ)・熱(ねつ)などの「外邪(がいじゃ)」によって、頭部の気血の流れが滞ったために「不通則痛」(通じざればすなわち痛む)という理論で起こると考えます。春は風の季節なので、風寒タイプが多いよう。内的要因の頭痛は胃腸虚弱や老化、慢性病などで気血(きけつ)が不足し、頭に血が行き渡らないために起こります。また生活習慣の乱れ、緊張やストレスなどで気血が滞ることで起こるタイプもあります。経験がないほど酷い頭痛は、深刻な病気も考えられるので、直ぐ病院の受診をお勧めしますが、治り難い頭痛は、中医学で対応してみては?タイプに合わせた漢方薬を選び、養生法も指導します。
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2018.08.16
熱中症対策 水分補給だけで大丈夫?
今年7月末時点で横浜市の熱中症による救急搬送は、昨年の倍以上で死亡者も出ています。気温室温が体温より上がると発症しやすくなります。程度により症状は様々。体温は正常で汗も出ている重症度Ⅰ度の熱失神や熱痙攣の段階なら、水分補給などの一般的な対応で回復も容易でしょう。体温が上がり、まだ汗は出ている段階がⅡ度の熱疲労。更に脱水が進んでⅢ度の熱射病の段階になると、もはや汗は出なくなり体温は40℃を超え、高度の意識障害が生じ、死の危険に…。熱中症で死に至るメカニズムは、脱水による臓器血流低下・体温上昇と、それに伴う多臓器不全です。一般的に夏は、心・脳血管疾患が減少すると言われていますが、猛暑時は例外で、気温が32℃を超えると心筋・脳梗塞が急増するという研究結果もあります。特に高齢者は体の水分保持量が少なく、容易に脱水状態になり、血液の粘度が増し、血栓も出来やすいのです。中医学で熱中症や夏の血栓を予防するには、「気陰両虚(きいんりょうきょ)」の改善と「活血化瘀(かっけつかお)」。「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」は、潤いを生む生津作用だけでなく、心肺機能を維持する「気(き)」を補う働きもあります。活血化瘀薬の「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」の組み合わせは、熱中症のみならず、夏の血栓予防にも最適ですね。
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2016.11.17
「血の道症」って何?「血力」は女子力
とにかくイライラする」「不安感」「いや~な頭痛が続く」…もしかしたらそれは、「血(ち)の道症」かもしれません。年配の方はよくご存知かもしれませんが、「血の道症」とは、血の不足や滞りから起こる女性特有の不調のこと。婦人科系の疾患はほぼ、血に関係しているといっても過言ではありません。特に血を必要とする月経、妊娠、出産、更年期などに現れやすい症状です。生理痛や頭痛、便秘、むくみ、胸が張る、イライラするなど、どなたでも経験があるはず。しかし、本来は「生理痛はないのがあたりまえ」なのです。中医学では、血の足りない状態を「血虚(けっきょ)」といい、生理不順、乾燥肌、動悸、不眠、かすみ目、もの忘れなど様々な不調の原因となります。特に子宮や卵巣系は、血で満たされていないと弱ってしまいます。また、毛細血管も含め血の流れが滞って巡らない状態を「瘀血(おけつ)」と呼びます。〝瘀血は万病のもと〟血を全身に巡らすことは、体を健やかに維持するために、とても重要なことなのです。血を増やし巡らせるためには、血を貯蔵する「肝(かん)」の働きを活発化させ、血を造る胃腸の働きを改善し、睡眠を十分にとることなどが大切。漢方では、血を養い巡らせる「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や「逍遥丸(しょうようがん)」「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」がおすすめ。また、血の道症の頭痛には「頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)」「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」も有効です。
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2014.07.17
ひざ痛、腰痛、四十肩に悩む人へ(特別号)
以下、タウンニュース2014年7月17日(木)号の金沢区版と横須賀版に掲載されました、当店の開局10周年記念の特集記事全文です。----ひざや腰、関節、肩……年齢とともに痛む部位が増えてきたという人も多いのでは。「そんな方にこそ、漢方を試してほしい」と話すのは今年、10周年を迎えた漢方相談薬局「開気堂」(金沢文庫駅東口徒歩3分)の薬剤師東海林正弘さん。「エッ?漢方で痛みがとれるの?」――そんな疑問を保存版特別号で解説する。東海林さんは「痛みの原因はズバリ、経絡(けいらく)の滞り」と言い切る。経絡とは、ツボと内臓、内臓と器官、皮膚などをつないでいる「気(き)」(体の基本エネルギー)と「血(けつ)」(血液)の通り道。太い流れを「経脈(けいみゃく)」、枝分かれした末端の細い流れを「絡脈(らくみゃく)」という。「中医学では『不通則痛』(通じざればすなわち痛む)と言い、絡脈が滞るとしびれやこわばりが、さらに経脈が滞ると痛みが現れると考えられています」と話す。雨が降るとひざが痛くなる理由では、何が滞りを生むのか。下の図にその答えがある。外的要因とは、人間の体が絶えず影響を受けている気候や風土。湿気や暑さ、寒さ、風などの外邪に体が順応できないと、経絡につまりが生じ、体内の気血が巡らなくなる。「雨が降ると膝が痛くなる人が多いのも、こうした理由からです」と東海林さんは説明する。また、外邪や生活習慣などの要因によって体内にたまり、痛みの原因となるのが「痰飲(たんいん)」「気滞(きたい)」「瘀血(おけつ)」(下の図の最下部を参照)。それぞれに痛みの性質が違うので、タイプに合わせた対処法が必要とされる。さらに、慢性的な痛みは、「気血が不足し、栄養が体内に行き渡らない」=『不栄則痛』(栄えざればすなわち痛む)ことでも起こる。老化による痛みも軽減できる?東海林さんは年を取ると痛みやすくなる理由を「老化により体や内臓の機能が低下し気.血が不足するため、筋肉や器官、組織などに栄養が行き渡らなくなるからなんです」=下の図内的要因=と説明する。つまり、気.血を養うことができれば、老化による「痛み」も軽減することができるのだ。「年のせいとあきらめることはありません。体質にあった漢方の処方で、気や血は補えます」と東海林さん。脾(ひ).肝(かん).腎(じん)の働きを活性化させ、痛みの根本原因から改善するのが「中医学流」。漢方は、痛む部位や痛みの性質、痛みが出る条件などから総合的に判断するため、一人一人の処方は異なる。東海林さんは「原因別に対応することが、痛み改善の近道。当店では痛みのタイプ別に漢方をお選びいたしますので、お気軽にご相談ください」と呼びかけている。
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2012.08.23
病院から帰宅途中に心筋梗塞
実際にあった話ですが、ある夏の暑い日、高齢の女性が病院から歩いて帰る途中、心筋梗塞を起こしました。この女性は検査のために前夜から絶食していた上、検査後もすぐに飲食物を取りませんでした。水分を取らずに大量の汗をかき、脱水状態になったことが、心筋梗塞を引き起こしたのです。元来水分が不足がちの高齢者の場合、夏の炎天下では水分はどんどん消耗され、脱水状態に陥りやすいといわれています。脱水状態では血液中の水分も減少し、血液は濃縮されてドロドロにこれも、いわゆる「瘀血(おけつ)」の状態です。体の隅々にまで行き渡るべき赤血球や白血球が動けなくなり、血管に付着して血栓となってしまいます。夏に心筋梗塞や脳梗塞が多発するのはこのためです。予防にはこまめな水分補給が大切ですが、ただ水分を摂っても、体質によってはきちんと体内に取り込めない人もいます。しかし、中医学の力を借りれば、心臓や血管のケアともいえる「瘀血」の対策に加えて、日頃から適度な水分量を保持するためのサポートも可能です。飲食物を体内に取り込む「脾」の機能を高める「健脾薬(けんぴやく)」や心臓や身体全体に元気と潤いを補って体力気力をアップする「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」と、血液の滞り(瘀血)を改善させる「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」の組み合わせは特におすすめ。夏バテや熱中症の予防にもなります。
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2013.07.18
水分をとっても脱水症状になるワケ
梅雨明けとともに猛暑日が続き、熱中症患者が急増しているようです。ニュースでは、きちんと水分を取っていても熱中症や脱水症になるケースが報告されていますが、どうしてか、不思議ではありませんか?飲んだ水分は、中医学でいう五臓の「脾(ひ)」で吸収されます。この脾の運化機能(腸の吸収力)が弱まると、水分は十分に吸収されず、軟便・下痢として便に排出されるほか、お腹に溜まり水毒となります。体の重だるさやむくみ、軟便下痢などの症状がある方は、脾の働きが低下していると考えて良いでしょう。また、湿度が高いと「湿邪(しつじゃ)」が脾に影響を及ぼし、胃腸の吸収力を弱めます。この季節、胃腸トラブルが多いのは、こうした理由もあるのです。胃腸できちんと吸収された水分は「津液(しんえき)」となって、血液や体に潤いをもたらしますが、大量の汗をかくと消耗されます。特に津液が不足しがちな高齢者は脱水状態に陥りやすいので注意が必要です。血液が濃縮されてドロドロの状態になり、熱中症だけでなく心筋梗塞や脳梗塞なども起きやすくなります。漢方を上手に取り入れれば、体の不調を軽減できます。脾の働きが弱っている方には「健胃顆粒(けんいかりゅう)」などの健脾薬(けんぴやく)や“胃腸の除湿器”「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」がおすすめです。また、発汗過多で元気と潤いを消耗した場合は「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」で積極的に気と津液を補いましょう。
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2021.06.24
猛暑に耐える身体づくり
ワクチン接種が進みコロナ禍が一定の落ち着きを見せたとしても、今年も例年と同じように猛暑の夏はやってきます。コロナ対応に気を取られるあまり、猛暑対策が二の次になりがちですが、毎年、多くの方が熱中症で亡くなっているので、気は抜けません。中医学で熱中症や夏の血栓を予防するためには、気陰両虚(きいんりょうきょ)<元気と潤いの不足>の改善と活血化瘀(かっけつかお)<毛細血管を含めた全身の血流を改善すること>が大切と考えます。炎天下では水分の消耗が激しく、特に水分保持量が体重の60%以下にもなる高齢者は脱水状態になりがちです。そうなると、血液は濃縮され粘度が高まり、血栓もできやすくなってしまいます。一般的に夏は、心・脳血管疾患が減少すると言われていますが、猛暑時は例外で、気温が32℃を超えると心筋・脳梗塞が急増するという研究結果もあります。中医学では、身体のすみずみにまで血液を送る心気(しんき)を補い、心筋に栄養を与えることで、こうした症状を予防します。代表的な漢方は「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」です。潤いを生む生津作用だけでなく、心肺機能を維持する気を補う働きもあります。活血化瘀薬の「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」の組み合わせは、熱中症のみならず、夏の血栓予防にも最適です。
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2021.10.28
不快な耳鳴り、まずはタイプを知って
不快な音や、聞こえの悪さが気になる「耳鳴・難聴」。病院に行ってもなかなか原因が分からず、「治りにくい」とあきらめている方が多いように思います。中医学では、一口に耳鳴りといっても、タイプはさまざま。改善のためには、まず自分のタイプを知ることが大切です。「ジージー」という比較的低く小さい音は、加齢により腎の働きが弱くなった高齢者に多い耳鳴りです。腎は加齢とともに衰える機関で、耳と密接な関係があります。一方、突発性難聴などに多い、「キーン」という金属音の耳鳴りは、過剰なストレスなどの原因で、肝の疏泄機能(そせつきのう)が低下し、気の流れが停滞し<肝気鬱結(かんきうっけつ)>、気が高ぶり熱化して顔面紅潮、舌が赤い、目の充血を伴い<肝火上炎(かんかじょうえん)>、激しい難聴や耳鳴りを起こします。高血圧による耳鳴りもこのタイプです。また、疲労や睡眠不足などで肝血(かんけつ)が不足した場合や、胃腸の働きが低下して、栄養が十分に吸収できず、耳に必要な気血(きけつ)が巡らなくなると、疲労時に難聴・耳鳴りが起こることもあります。今回は分かりやすいタイプを例としてあげましたが、中医学ではさらに細かく分類されています。タイプによって処方する漢方は違いますので、ぜひ一度ご相談下さい。
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2018.10.18
「妊娠力」は秋に上がる?
「実りの秋」といいますが、過ごしやすく食欲も旺盛になる秋は、動物にとって春と並ぶ繁殖期です(もちろん人間も)。しかし今年は「夏の疲れが取れなくて…」という方が少なくありません。猛暑のダメージに加え、秋になっても湿度が高かったため、「脾(ひ)」(胃腸)の疲れが回復していないことが一因のようです。脾は食物から栄養を吸収し、免疫力も高める大切な機能を担っています。元気な脾があってこそ、子宮を養う「気(き)・血(けつ)」が十分に培われるのです。妊娠・出産は多くの血液が必要とされる活動です。血の量を増やし全身に巡らすこと=妊活といっても過言ではありません。今年の秋は、胃腸の疲れを取ることが、妊活の第一歩。ストレスや湿気、冷たい飲食物は脾の大敵ですので、旬の食材と温かいものを取って、胃腸の調子を整えましょう。さらに気をつけたいのは、下半身の「冷え」。下半身は子宮、卵巣、卵管など妊娠に直接かかわる重要な器官があるため、冷えで骨盤内の血流が低下すると、不妊の原因になりかねません。脾の働きを助ける「健脾薬(けんぴやく)」とともにおススメの漢方は、愛用者の多い「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」。血を補い体を温めて骨盤内の血流を改善します。基礎体温を活用した周期療法と合わせ使うと良いでしょう。
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2014.02.20
頭痛はタイプ別に対応
日本人の3人に1人は「頭痛持ち」だそうです。先日、ニュース番組で紹介された頭痛専門のクリニックには、遠方から始発の新幹線で通う患者さんもいました。それほど頭痛は悩ましいものですが「我慢する」「鎮痛剤を飲む」方が大多数を占めるのでは?西洋医学では片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛などと分類はされていますが、ほとんど原因究明がされていません。治療は、痛み=炎症・血管拡張ととらえ消炎鎮痛剤や血管収縮剤を使った対症療法が基本です。一方、中医学では「通じざれば即ち痛む」(気(き)・血(けつ)の滞り)「養なわざれば即ち痛む」(気・血の不足)という基本理念で痛みの原因を考え治療を行います。頭痛の病因は、まず外感(がいかん)と内傷(ないしょう)に分けられます。外感頭痛とは、多くは生活の不摂生で、風(ふう)・寒(かん)・湿(しつ)・熱(ねつ)などの「外邪(がいじゃ)」を感受することによって引き起こされます。体を冷した時や、風邪の初期の頭痛がこれです。内傷頭痛とは、主に肝(かん)・脾(ひ)・腎(じん)の三臟のどこかの機能失調によるもので、ストレスや緊張興奮、胃腸虚弱、暴飲暴食による痰飲(たんいん)の停滞、加齢老化、生活習慣病による瘀血(おけつ)などによっても頭痛は起こります。当店では、個々の頭痛のタイプに合わせた漢方薬を選び、養生法もご指導いたします。経験がないほど酷い頭痛は、深刻な病気も考えられるので、早めに病院の受診をお勧めします。
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2012.07.19
原因不明の「繊維筋痛症」中医学で対応
「繊維筋痛症(せんいきんつうしょう)」という病名をご存知ですか?全身あるいは部分的な痛みやしびれ、こわばりが主な症状で痛みは軽度から激痛になることもあります。その他に倦怠感・疲労感・睡眠障害・自律神経失調・頭痛・ドライアイ等を伴う場合も!患者数は現在日本の人口の1・66%、約200万人と公表され、リウマチ患者60万人の約3倍以上と言われています。死に至る病ではありませんが、重症化すると軽い刺激でも激痛が走り、自力での生活は困難です。血液やレントゲン、筋肉の酵素、CT、MRIなどの検査をしても異常が出ないのが特徴で、診断が出るまで数か所の医療機関を何年にもわたって回り続けた患者さんも少なくありません。西洋医学では未だ治療法が確立されていませんが、中医学を応用すると解決の糸口が見えてきます。痛みやしびれ、こわばりといった線維筋痛症の症状は、中医学の専門用語で「痺証(ひしょう)」に該当します。「痺(ひ)」とは塞がって通じない事。「不通即痛=通じざれば即ち痛む」という考え方で、痺証の症状は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の滞りによるものと捉え滞る原因を探ります。例えば血の滞り(瘀血)による痛みならば、漢方薬の活血化瘀薬(かっけつかおやく)「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などを中心に瘀血のタイプに合わせた総合療法で薬を選びます。医療機関を何件も回って来た方が改善した例は数々あります。諦める前にぜひ一度ご相談を!
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