ツキイチ連載
漢方職人「東海林さん」の漢方メモ
長年の臨床経験の積み重ねで構築されてきた中医学を語る「東海林さん」 お店では漢方職人と呼ばれています。自然の影響も考慮した中医学の膨大な知識の中から、みなさんに有益な情報を伝える連載コラムです。
2019.09.19
中医学で男も“妊活”
10月公開の映画「ひきたさんご懐妊ですよ」では、松重豊さんが45歳で妊活に挑む主人公を演じています。妊娠するためには、男女ともに健康であることが大切。不妊症の半分は男性側にも原因があるのですが、一般的には男女の間で意識に差があるのが現状です。正常な男性の精子の数は1ml中に3900万以上で運動率が40%以上、奇形率が96%未満…など。映画で主人公は精子の運動率が20%しかないと言われ、ショックを受けます。男性不妊の原因は、先天的な生殖機能の低下に加え、過剰なストレス、偏食、過度の飲酒や生活習慣の乱れなどがありますが、病院で検査はしてくれても特に有効な治療法や薬は無いのが現状です。中医学的には生命エネルギーである「腎気(じんき)」を消耗し、「腎虚(じんきょ)」状態になっていると考えます。腎虚は通常40歳以降から徐々に現れますが、最近は若年層にも見られるケースが増えています。男の妊活は、日頃の養生と合わせて、腎と脾(ひ)を補う補腎薬「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」など体質に合わせた漢方を上手に使って、生命エネルギーを高めることで良い結果が出ています。映画の主人公も様々な試みで、男性機能を向上させようと奮闘しています。ぜひ一度、ご夫婦で相談にいらしてみては?
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2019.03.21
自然の力で妊娠力UP
植物が芽吹き動物の活動が活発になる春は、生き物にとって最も生命活動が高まる季節。人間にとっても、妊娠しやすい時期と言えます。今年は春の訪れが例年より早まりそう。不妊に悩む人も、自然の力を利用し子宮の力を高めていくと、より妊娠率が上がります。一方で、注意したいのが「気の滞り」。気とは、体の代謝に関わる重要なエネルギーで、血を全身の隅々まで行き渡らせる働きがあります。春はこの気血を巡らせる「肝(かん)」の疏泄(そせつ)機能(伸びやかに気血を運ぶこと)が乱れやすい季節。加えて天候不順や環境の変化によるストレスが肝に影響し、気血を作る胃腸の働きを弱め、さらに気血の巡りが悪くなる悪循環に陥りがちです。特に不妊治療をしている方は、通院予約や仕事との両立、期待と落胆を繰り返すことで、多大なストレスを受けています。健やかな「妊活」をするためには、まず気血を補いストレスなどで滞った気血を子宮卵巣に行き渡らせることが大切です。そんな方には、気の滞りを改善する「逍遥顆粒(しょうようかりゅう)」や「開気丸(かいきがん)」などの理気薬(りきやく)がおすすめ。全身に気が巡ることで、落ち込みがちな気持ちも明るくなります。また、妊活に欠かせない補血薬(ほけつやく)の「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」なども合わせて飲むと良いでしょう。
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2018.10.18
「妊娠力」は秋に上がる?
「実りの秋」といいますが、過ごしやすく食欲も旺盛になる秋は、動物にとって春と並ぶ繁殖期です(もちろん人間も)。しかし今年は「夏の疲れが取れなくて…」という方が少なくありません。猛暑のダメージに加え、秋になっても湿度が高かったため、「脾(ひ)」(胃腸)の疲れが回復していないことが一因のようです。脾は食物から栄養を吸収し、免疫力も高める大切な機能を担っています。元気な脾があってこそ、子宮を養う「気(き)・血(けつ)」が十分に培われるのです。妊娠・出産は多くの血液が必要とされる活動です。血の量を増やし全身に巡らすこと=妊活といっても過言ではありません。今年の秋は、胃腸の疲れを取ることが、妊活の第一歩。ストレスや湿気、冷たい飲食物は脾の大敵ですので、旬の食材と温かいものを取って、胃腸の調子を整えましょう。さらに気をつけたいのは、下半身の「冷え」。下半身は子宮、卵巣、卵管など妊娠に直接かかわる重要な器官があるため、冷えで骨盤内の血流が低下すると、不妊の原因になりかねません。脾の働きを助ける「健脾薬(けんぴやく)」とともにおススメの漢方は、愛用者の多い「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」。血を補い体を温めて骨盤内の血流を改善します。基礎体温を活用した周期療法と合わせ使うと良いでしょう。
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2018.04.19
生命の神秘は「血」から生まれる
今回もNHKで放映されている人体シリーズについて。第6集の「生命誕生」も大変興味深かったですね。特にすごいのはその映像。精子と卵子が出会って、ものすごい勢いで細胞分裂していく様や最初に心臓が作られ次々と臓器が形作られていく過程など、〝生命の神秘〟を目の当たりにした気分でした。この時、細胞のエネルギー源となるのはやはり「血液」です。お母さんの血管とは直接は繋がっていませんが、胎児は胎盤を通して大量の血液を取り込むのです。このように妊娠中の女性にとって「血」は普段の生活以上に必要です。また、妊活中の方、産後の方も血の量が不足しがちになるので、血の養生を心がけてください。女性の生理機能にはとにかく血が必要なのです。中医学で言う「血虚(けっきょ)」とは血の濃度だけでなく貯蔵量も関係します。血液を補うには、当然ながら材料となる栄養も必要ですが、例えば鉄分や葉酸のサプリを飲んでも、それを吸収するためには、元気な胃腸を維持することも大切。また、血液は骨髄で作られるので、骨を丈夫にすること「補腎(ほじん)」も忘れてはいけません。「血をつくる・蓄える」ことは中医学の得意分野。日々の生活に血を補い血の流れを良くする「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などの漢方を!
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2017.01.19
「温活」は「妊活」のプロローグ!
多くの女性の共通の悩みである「冷え」。だが「たかが冷え」と放っておくと体内の臓器の働きが低下し、頭痛、肩こり、疲労感、腰痛、関節痛、生理痛、生理不順、胃腸不調、風邪を引きやすいなど、全身の様々な不調を引き起こすことに。さらに、冷えは妊娠を望む女性にとって大敵ですが、冷え性を根本から改善する西洋薬はありません。不妊治療と並行して「温活」することはとても大切です。女性に最も多い冷えの原因は、「気血(きけつ)不足」です。血には全身を巡って栄養や潤いを与え、体を温める作用があります。体内の気血が不足していると身体のすみずみまで血が行き渡らず、冷えが起こりやすくなります。「経血量が少なく色が薄い」という人は、このタイプ。月経時は特に冷えやすいので、日頃から気血をしっかり養い、身体を冷えから守りましょう。その他血行不良や胃腸虚弱も冷えの原因となります。高齢者に多いのは「陽気(ようき)不足」の冷え。体を温めるエネルギーである陽気は、加齢と共に衰える「腎(じん)」が生み出しています。特に下半身に強い冷えを感じている人は陽気不足のサイン。腰回りをしっかり温め、腎の働きを守りましょう。冷え解消の第一歩は、自分の〝冷えタイプ〟を知ること。中医学の知恵を生かした漢方の「温活」は「妊活」には欠かせないことなのです。基礎体温が低い人は、今日から始めましょう。
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2014.09.18
秋は妊娠力UPのチャンス!
秋は動物にとって、春と並ぶ繁殖の季節。逆に気候の厳しい真夏・真冬は、繁殖する動物も少ない傾向にあります。人間も例外ではありません。体は冬に向けて栄養を蓄えるため、妊娠力もアップすると考えられます。しかし、暑さのピークは過ぎたものの、気候の変動が激しく「何だか体がだるい…」というお客様の声をよく聞きます。体がへばっている時に、お金をかけて高度不妊治療を行っても成功率は高まりません。今こそ、しっかりと夏の疲れをとって、「子づくりの秋」を迎えたいものです。夏の疲れをとるにはまず、胃腸の元気を取り戻すこと。食物からしっかりと栄養を吸収できる脾があってこそ、子宮を養う「気(き)・血(けつ)」が培われます。ストレスや湿気、冷たい飲食物は、脾の大敵。旬の食材を使い温かいものを軽めにとって、胃腸の調子を整えましょう。さらに気温が下がるこれからの季節、気をつけたいのは、下半身の「冷え」。下半身は子宮、卵巣、卵管など妊娠に直接かかわる重要な器官があるため、冷えで骨盤内の血流が低下すると、不妊の原因になりかねません。脾の働きをサポートする「健脾薬(けんぴやく)」とともにおススメの漢方は、婦人の宝として愛用者も多い「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」。血を補い体を温めて、骨盤内の血流も改善します。基礎体温を活用した周期療法の漢方も合わせて使うと良いでしょう。
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2012.11.15
「妊娠力」高める”良い畑づくり”
秋は実りの季節。しかし、いくら良い種を植えても、畑が痩せていては良い実はなりません。人間も同じこと。元気な赤ちゃんを出産するためには、何よりも「母親の体づくり」が大切です。不妊治療において、西洋医学は「種」を作ることに集中していますが、中医学は「良い畑」を作ることも考えています。私は両方の〝いいとこ取り〞をして、「妊娠力」を高めることをお勧めしています。さらに中医学は西洋医学の基礎体温の理論に、「陰陽(いんよう)」の考えを当てはめ、「周期療法」を生み出しました。女性の生理周期は月経期・卵胞期・排卵期・黄体期を規則正しく繰り返しています。周期療法は、この生理周期に合わせて治療薬を変え、ホルモンバランスを整える画期的なものです。月経期と排卵期は、子宮内膜を経血として、あるいは卵子をスムーズに排出するために、「気(き)・血(けつ)」の流れを整えることが大切で、「理気薬(りきやく)」や「活血薬(かっけつやく)」を用います。また、卵胞期(低温期)は、子宮内膜を増殖させて卵子を育てるために必要な「血(けつ)・陰(いん)」の補充を。さらに、黄体期(高温期)には受精卵が着床し育ちやすいよう「補陽薬(ほようやく)」を処方し、子宮を温めて真綿のような「内膜のベッド」を作る手助けをします。周期療法は、一人一人の体調と基礎体温に合わせて処方する、オーダーメイドの治療法。ホルモン療法のデメリットを補う効果も期待できますよ。
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2013.06.20
不育症は治療できる?
前回は、妊娠はするけれども、流産を繰り返してしまう「習慣性流産」について書きました。不育症は習慣性流産とほぼ同義ですが、22週以降の死産や新生児死亡も含み、より広い意味で用いられます。厚生労働省研究班が集計したデータによると、そのリスク因子は子宮形態異常や甲状腺異常、染色体異常など様々。一方で検査をしても明らかな異常のない人が60%以上も存在します。昔から流産を繰り返す女性は「ずっと子どもを持てない」と誤解されがちでしたが、そのようなことはありません。研究が進み、諦めなければ最終的に、多くの方が子どもを持てることが判ってきました。お腹の中で胎児がすくすくと育つには、お母さんの健康が何よりも重要です。特に中医学では、生命エネルギーを生み出す「腎(じん)」や胎児が成長するために必要な「気(き)・血(けつ)」が大切だと考えます。ストレスなどを避け、気や血の巡りを整えること、適度に休養をとり腎の働きを活発にすること、バランスよく栄養を摂り、血を養うこと・・・。中医学の考え方を取り入れ、生活を変えただけで不育症を克服した例も少なくありません。また「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」「逍遥丸(しょうようがん)」「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」などの漢方を組み合わせて、きちんと体作りをされた方は、妊娠されてからのトラブルも殆どなく、元気な赤ちゃんを産んでいます。
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2013.05.16
中医学で流産を予防!
「やっと子どもができたと思ったら、流産してしまった」――。残念ながら、流産は誰にでも起こりうること。実は妊娠した人の約20%が流産してしまうと言われています。さらに自然流産を3回以上繰り返した場合は習慣性流産と言われ、子宮や染色体の異常などの体質的問題があると考えられます。しかし習慣性流産(不育症も含め)にはまだ分からないことが多く、全体の半数以上の原因は、明らかにされていません。中医学では原因の一つとして、生命エネルギーを生み出す「腎(じん)」の機能低下や胎児が成長するために必要な「気(き)・血(けつ)」の不足を考えます。健康なはずなのに、なぜか流産を繰り返すという32歳のKさんが相談に来たことがありました。話してみると「疲れやすい」「胃腸が弱い」など気血不足の症状がみられたため、気・血を補う「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」をおすすめしました。すると3カ月もたたないうちに妊娠。その後の経過も順調で、Kさんは無事に元気な赤ちゃんを出産しました。このように、漢方を服用し体質改善を図るだけで、習慣性流産を克服された方もたくさんいます。体質や体調によっては、気の流れを改善する「逍遥丸(しょうようがん)」や腎を補う「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」など、その方に適した漢方を組み合わせて服用します。西洋医学との併用も出来ますので、お気軽にご相談ください。
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2013.04.18
不妊治療 漢方で出産率もUP
先日、厚生労働省が不妊治療の公費助成について対象年齢に上限を設けることを検討し始めたというニュースがありました。せっかく妊娠をしても出産にまで至らないケースは30代後半から急激に増加します。日本産科婦人科学会2010年データによると、不妊治療で妊娠した40歳の約35%が、45歳の約65%が流産しているといいます。妊娠のきっかけづくりは、西洋医学の人工授精や体外受精といったすばらしい技術がありますが、数字が示すように、30代後半からは流産しにくい母体作りも大切。少ないチャンスを確実に生かし、無事に丈夫な赤ちゃんを出産するためにも、漢方で“よい作物が実る畑”に母体を変えていく事をお勧めします。30代後半の流産で多いのが、生殖器系・ホルモン系を司る「腎(じん)」の機能が低下した「腎虚(じんきょ)タイプ」。元々経血量も少なく、腰のだるさなどを伴うのが特徴。腎の機能を高める「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」や「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」は妊娠中も服用いただけます。また胎児に十分な栄養を十月十日(とつきとおか)にわたり与え続けるために「気(き)」と「血(けつ)」を養うことも重要です。顔色が悪く疲れやすい、胃腸が弱いなどの症状がある人は気血が不足しています。「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などで気血を補い、妊娠ストレスのある方は「逍遥丸(しょうようがん)」などで気の流れも改善し、生理機能を整える漢方薬は、病院の治療との併用も有効です。
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2012.10.18
「妊娠力」高まる秋
今や夫婦10組に1組は不妊症に悩んでいると言われています。女性の社会進出が進むに伴い、高齢出産が増加。日常的にストレスや過労にさらされる女性の体は、妊娠しにくい傾向にあるようです。そこで、最近注目を集めているのが漢方です。中医学の不妊症治療の基本は、「体を妊娠しやすいように整えていく」こと。「疲れが取れない」「ストレスで不調が続く」と感じている方は、まず体調を整え、新たな生命を生み出す準備を始めましょう。特に厳しい夏が終わった今こそ、妊娠しやすい体を作るチャンス。動物にとって、秋は春と並ぶ繁殖期。芸術やスポーツの秋と言いますが、「子作りの秋」とも言えそうです。さらに、気温が下がるこれからの季節、気をつけたいのは「冷え」。「たかが冷えくらい」と思っていても、意外にも不妊の原因になることが多いのです。特に下半身は子宮、卵巣、卵管など妊娠に直接かかわる重要な器官があるため、冷えると骨盤の血液の流れや働きが著しく低下します。薄着や冷たい飲食物を控えるのはもちろん、ホルモンバランスやストレス(気の滞り)にも注意しましょう。おすすめの漢方は、血を補い体を温め、骨盤の血流を改善する「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や、女性ホルモンを生み出す力を高める、各種の「補腎薬(ほじんやく)」を体質に合わせて選びましょう。基礎体温に合わせた周期療法も効果的。
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2018.09.20
「産後うつ」を救え!
先日、妊産婦の死因のトップが自殺だったというニュースがありました。妊産婦は子育ての不安や生活環境の変化などで精神的に不安になりやすいといわれています。妊娠すると血液は胎児に優先的に送られるので、母体は常に貧血状態になりやすいです。また出産時にも多量の出血を伴い、益々貧血状態は悪化します。さらに出産後は母乳を作るために多くの血液を消耗し、血液の絶対量が不足します(フェリチン検査してみましょう)。産後うつの状態を中医学的に考えると、はなはだしい「血虚(けっきょ)」が原因と考えられます。うつは気(き)が滞った状態。血を蓄え気の流れをコントロールしている「肝(かん)」と血を廻らし精神のコントロールを司る「心(しん)」が血虚になると、肝血不足により気滞を起こして些細なことでイライラしたり、憂うつになります。心血が不足すると血が全身に廻らなくなり、疲れ易く精神不安や動悸、不眠、眠りが浅く怖い夢を見るなど、ただでさえ授乳で寝不足になるのに、眠れず母乳も出にくくなり、育児が辛くなって普通の生活が困難になります。女性の健康は「血」と深く関わっています。特に、妊娠・出産は多くの血液が必要とされるので妊娠初期から「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などの補血薬の常用をおすすめします。
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2017.03.16
PMSと不妊の関係性
「陽気は良くなってきたのに、春は何故か気が滅入る」――そんなことを感じたことはありませんか?その原因は中医学で考えると「気(き)の滞り」にあります。気は体の代謝に関わる重要なエネルギーで、血(けつ)を体の隅々まで行き渡らせる働きがあります。生理前に「イライラ」や「胸やお腹の張り」「便秘」「肌荒れ」などの症状がでるPMS(月経前症候群)も実は気の滞りが関係しています。生理前は妊娠に備えて、気・血のエネルギーが増えている時期なので、その分、滞りやすくなり、気血の流れが乱れやすいのです。生命活動が高まる春は、妊活に適した季節である一方、気血を巡らせる「肝(かん)」の疏泄(そせつ)機能(伸びやかに気血を運ぶこと)も乱れやすくなる時期。加えて天候不順や新年度と環境の変化によるストレスが肝に影響し、気血を作る胃腸の働きを弱め、さらに気血の巡りが悪くなる悪循環に陥りがち。特に不妊治療をしている人は、通院予約や仕事との両立、期待と落胆を繰り返すことで、多大なストレスを受けています。そんな時は、漢方の疏肝薬(そかんやく)[逍遥丸(しょうようがん)や開気丸(かいきがん)など]で気の滞りを改善するだけでも、血の巡りが良くなり気分も明るくなるはず。「気分屋」の言葉にもあるよう、気は変化しやすい性質があるため、飲めば直ぐに効果を感じられるのが特長。せっかくの春、気分を変えて楽しく妊活をしてみませんか?
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2016.03.24
生理痛、不妊症、更年期・・原因は「かくれ貧血」!?
女性は何かと血液が不足しがち。近年は日本人女性の4割以上が「かくれ貧血」であると言われています。一般的な貧血の血液検査では、血液の濃度を調べますが、かくれ貧血はヘモグロビンを作るための貯蔵鉄の欠乏、つまり血液の量が不足した状態。通常の検査では貧血と気付かず、放っておくと様々な不調が現れます。「鉄剤を飲んでいるから大丈夫」と思っている方も安心はできません。中には鉄剤の吸収が悪く、ヘモグロビンをうまく作ることのできない体質の方もいらっしゃいます。中医学では「肝(かん)は血(けつ)を蔵(ぞう)す」といい、このような「かくれ貧血」も肝の貯蔵血不足による「血虚(けっきょ)」と考えます。冷え症、めまい、視力の低下、生理不順、生理痛、母乳の出が悪い、くすみ、クマ、小じわなど血虚の症状は様々。もともと女性は月経、妊娠、出産、授乳で血を消耗するので、血虚の状態になりがちです。血は主に夜眠っている時に生成されるので「睡眠をたっぷりとる」「冷やさない」「血になる温かいものを食べる」などの日々の養生ももちろん大切です。血虚を改善することは、生理痛をなくし、妊娠しやすい体を作る、また更年期をスムーズに乗り越えることにもつながります。血虚を改善するためのおすすめの漢方薬が「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」。「甘くて飲みやすく、肌や髪質まで良くなった」とご好評をいただいております。
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2017.02.16
小さな子宮筋腫も積極的に「未病先防」!
成人女性の4~5人に1人はあると言われる子宮筋腫。症状は出来る部位(筋層内・漿膜下・粘膜下)によって異なり、重くなると経血過多や激しい生理痛などに悩まされることも!ほとんどは良性の腫瘍だが原因は解明されていないため、婦人科では程度により切除手術をする、ホルモン療法で一時的に小さくする、それ以外は「放置して経過観察」するのが普通です。いずれにしても、子宮筋腫は不妊や流産などの原因にもなるので早めに対処することはとても大切です。中医学では子宮筋腫などの「しこり」の症状は、血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」が主な原因と考えます。長期間にわたり血の流れが停滞することで筋腫ができやすくなるのです。瘀血を招く要因は「気血(きけつ)不足」「冷え」「気滞(きたい)」など人により様ざま。例えば、疲れやすい人は、食事や睡眠をしっかりとり、気と血を養う。冷え症で血行が悪い人は、温性の食材で体を温め、ゆっくりと入浴し、下半身を冷やさない服装を心がける。ストレスを溜め込みやすい人は、深呼吸や香りのよい食べ物でリラックスするなどの日頃の養生も大切。中医学の「瘀血の総合療法」はとても効果的で、筋腫ができやすい体質を根本から改善し、再発を防いだり、成長を抑えることが期待できます。妊活中で子宮筋腫がある方も、漢方の併用をおすすめします。
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